「TikTokで物なんか売れるわけがない」と思っていた私が、TikTokでジャケットを買った話

6〜7年前の私は、こう思っていた

6〜7年前、私はこう思っていました。

「TikTokでものが売れるわけがない。ショート動画で購買につながるイメージが全然湧かない」

ECの仕事に長く携わってきた自分が、そう言い切っていました。ちょうどその頃、YouTubeを含む商品動画の撮影・演者・編集もやっていて、「長い動画ならまだ伝えられる」と思っていたくらいです。6秒や15秒程度で何が伝わるのか、とすら思っていました。

でも今思えば、その頃Xの発信担当もしていて、短いメッセージで高額商品がいくつも売れた経験があったんです。短い言葉にも需要があるという可能性は、すでに目の前にあった。なのに、まったく気づけていませんでした。

その後、独立してECとの関わりが薄くなり、仕事の中心がSNS運用へと移っていきました。TikTokを使う機会も出てきて、TikTokショップが登場したときも、「へえ、そういう機能が出たんだ」くらいの感覚でどこか他人事。そもそも私自身、SNSで買い物をする習慣がほとんどなかった。ネットで買うなら楽天、Amazon、ヨドバシ。そういう人間でした。


理想のジャケットが、なかなか見つからない

実はつい最近、ジャケットを探していました。

ECのお店から独立してフリーランスになった私。基本的に在宅ワークなので、ゆるっとした格好をすることが多かったのですが、普段がそれだとビジネスで人前に出るときとのギャップがありすぎて。外でクライアントに会うとき、もしくはクライアント候補の方からどう見られるか。自分の振る舞いがどうしても主婦的になってしまう気がして、普段着からもう少しきれいめにしていこうと思ったんです。

冬用のコートは襟付きのものがあったのですが、春先に羽織るものはカーディガンしかなかった。カーディガン的な使い方ができて、なおかつビジネスでも最低ラインをクリアできるようなものが欲しい。そう思って探し始めました。

楽天でも探した。メルカリで中古を買ってみたこともある。でもメルカリで買ったものは、届いてみたらイメージと違っていて、結局クローゼットの奥に眠ったまま。腕の部分が細すぎて、着られないこともないけど、普段から着たくないと思うような代物でした。タイミングがあれば出品しようと思いつつ、そのままになっています。

「なかなか理想のものに出会えないな」と思っていたある日。TikTokをぼんやり眺めていたら、まさに探していたジャケットの広告が流れてきました。思わずポチっていました。


TikTokの広告が、ピンポイントで刺さった

その動画が良かったのは、私がこだわっていた「腕の通しやすさ」がちゃんと確認できたからです。

一般的なサイズ表記でも丈でもなく、私が気にしていたのはそのピンポイントの部分だけ。写真だと生地感が伝わりにくいけれど、動画だと動きの中で生地のしなやかさが確認できる。フォーマルすぎないカーディガン的な使い方をするにはぴったりだと感じました。テキストの商品説明はほぼ読まなかった。動画を見た瞬間に「これだ」と思って、買っていました。

届いたのはイメージ通り。すでに何度も着ています。


アルゴリズムが教えてくれたこと

この体験で気づいたことが2つあります。

ひとつは、私がジャケットを探しに行ったのではなく、アルゴリズムが私を見つけに来てくれたこと。

今まで検索後に関連広告が出てくることはありました。でも今回は違った。能動的に探していないタイミングで、ちゃんと届いていた。

もうひとつは、動画だからこそ購入後のイメージがつかめたこと。

動画は文字情報の5,000倍、静止画の7倍の伝達力があると言われています。でも私はずっと、それは長尺の動画の話だと思っていました。

実際には違った。長い動画だったら、きっと途中で見る気が失せて、腕の通しやすさの場面までたどり着かなかったでしょう。たくさんの情報量を詰め込めるからこそ、あえて短く。必要な情報をピンポイントで届けることの力を、エンドユーザーのひとりとして体感しました。


欲しい縁を、つないでくれる

SNSの発信をお手伝いする立場として、あの頃の自分に言いたい。

「TikTokで物が売れるわけがない」と思っていた私自身が、TikTokに買わされていました。

でもそれは、騙されたのではなくて。ちゃんと欲しいものに、欲しいタイミングで、出会えた体験でした。

SNSは、必要な人に必要な情報を届けてくれる場所。売り込むためのツールじゃなくて、欲しい縁をつないでくれるものなんだと、エンドユーザーとして体感しました。

アルゴリズムには、届いてた。